読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

セミリタイア生活の綴り Blog

最終出社日は2015年9月30日。28歳で新卒入社の会社を辞めました。1987年生まれのサラリーマンの日記。2015年5月に資産3,000万円達成。内容は主に、セミリタイア、お金、語学、シンプルライフ、旅行について。自称ナンパ系投資家。


裏・Mao太郎

短編 短編-裏・Mao太郎

あるところに、Maoという若者がいました。

 

 

Mao

「ふぅー、今日もやっと仕事終わったな。家に帰ってゆっくりしよう。」

 

 

Maoは帰り道に、バーゲンセールをやっているお店を見つけます。そばによって見てみると、大人たちが次から次へと買い物をしています。

 

 

Mao

「おやおや、そんなむやみにお金を使ってはいけないよ。」

 

大人たち

「いやだよ。おれたちが働いて得たお金だもの。どうしようと、おれたちの勝手だろ。」

 

 

お金は涙をこぼしながら、Maoを見つめています。Maoは株式を取り出すと、大人たちに差し出して言いました。

 

 

Mao

「それでは、この株式をあげるから、お金をおくれ。」

 

大人たち

「アベノミクスでまだまだ株価は上がるぜ、やったー。」

 

 

こうしてMaoは大人たちからお金を受け取り、銀行口座の中へ逃がしてやりました。

 

 

さて、それから二、三日たったある日のこと、Maoが会社に出かけて仕事をしていると、 「・・・Maoさん、・・・Maoさん。」 と、誰かが呼ぶ声がします。

 

 

Mao

「おや? 誰が呼んでいるのだろう?」

 

「わたしですよ。」

 

 

すると机の上に、ひょっこりとお金が頭を出して言いました。

 

 

お金

「このあいだは助けていただいて、ありがとうございました。」

 

Mao

「ああ、あのときのお金さん。」

 

お金

「はい、おかげで命が助かりました。ところでMaoさんは、ゴーゴーバーへ行ったことがありますか?」

 

Mao

「ゴーゴーバー?ゴーゴーバーって、どこにあるんだい?」

 

お金

「タイです。わたしがお連れしましょう。さあ、飛行機に乗ってください。」

 

 

飛行機はMaoを乗せて、空へと飛び立ちました。タイに到着するとまっピンクな光が差し込み、トゥクトゥクがユラユラとゆれ、赤や金色のネオンがどこまでも続いています。

 

 

Mao

「わあ、きれいだな。」

 

 

Maoがウットリしていると、やがて立派なご殿へ着きました。

 

 

お金

「着きましたよ。これがタイで一番のゴーゴーバーです。さあ、こちらへ。」

 

 

お金に案内されるまま進んでいくと、ゴーゴーバーの美しい女の子たちがMaoを出迎えてくれました。

 

 

女の子

「ようこそ、Maoさん。わたしはこのゴーゴーバーで働いています。このあいだはお金を助けてくださって、ありがとうございます。お礼に、ゴーゴーバーをご案内します。どうぞ、ゆっくりしていってくださいね。」

 

 

Maoが用意された席に座ると、女の子たちが次から次へとお酒を運んできます。クラブミュージックが流れて、女の子たちの踊りが続きます。ここはまるで、天国のようです。

 

 

そして、 「もう一日、いてください。もう一日、いてください。」 と、女の子に言われるままタイで過ごすうちに、三年の月日がたってしまいました。あるとき、Maoは、はっと思い出しました。 (家族や友だちは、どうしているだろう?)

 

 

そこでMaoは、女の子に言いました。

 

 

Mao

「今までありがとうございます。ですが、もうそろそろ家へ帰らせていただきます。」

 

女の子

「帰られるのですか?よろしければ、このままここで暮らしては?」

 

Mao

「いいえ、わたしの帰りを待つ者もおりますので。」

 

 

すると女の子は、寂しそうに言いました。

 

 

女の子

「・・・そうですか。それはおなごりおしいです。では、おみやげに玉手箱を差し上げましょう。」

 

Mao

「玉手箱?」

 

女の子

「はい。この中には、私とMaoさんがタイで過ごした『時』が入っております。」

 

Mao

「はい、わかりました。ありがとうございます。」

 

 

女の子と別れたMaoは、また飛行機に乗って日本へ帰りました。日本に戻ったMaoは、まわりを見回してびっくり。

 

 

Mao

「おや? わずか三年で、ずいぶんと様子が変わったな。」

 

 

確かにここはMaoが仕事をしていた場所ですが、何だか様子が違います。Maoの居場所はどこにもありません。出会う人からも冷たい視線を向けられます。

 

 

Mao

「わたしは無職になってしまったのか。。。」

 

 

がっくりと肩を落としたMaoは、ふと、持っていた玉手箱を見つめました。

 

 

Mao

「そう言えば、女の子は言っていたな。この玉手箱には、『時』が入っていると。・・・もしかしてこれを開けると、自分が暮らしていた時に戻るのでは。」

 

 

Maoは、玉手箱を開けました。すると、中から玉のような赤ん坊が出てきました。

 

 

Mao

「おおっ、これは。」

 

 

赤ん坊の面影から、ゴーゴーバーの美しい女の子を思い出します。しかし、すぐに我に返りました。

 

 

Mao

「ああ、この赤ん坊は私の子なんだ。でも、私は無職になっており、この子を養うことはできない。この子とはお別れだ。。。」

 

 

Maoは、大きな桃を買ってきて、中身をくり抜き、そこに赤ん坊を入れて川に流しました。

 

 

 

 

桃太郎へと続く。

 

または、第二話に続く。